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《針葉樹 ヒノキとスギ》

針葉樹


 ヒノキとスギは、日本の針葉樹の建築用材としての代表格です。建築用材として日本の山には多量に植林されています。この日本の針葉樹を使った建築づくりをクカニアは推奨しています。「山のめぐみを山に還す」思想で、ふんだんにあるこの資源を建築の資源として捉えます。日本の森林資源活用の歴史は古く、その知恵は深 く、裾野は広くあります。この知恵を、現代の建物づくりに活かす「研鑽と学習」を行っています。


【1】構造材としてのヒノキ
梁・柱の仕口
ヒノキ構造材
 家を構築する柱・梁の材料は、地域の風土によって異なります。風土に合ったその地域で多量に算出する樹木が、その地域の主たる構造材になることが一般的です。日本の檜は、北海道を除く大多数の地域で産出され、一般的な構造材として珍重されています。それは構造材としての強度、耐久年数、色・つやといったあらゆる面から構造材に 適した特性を持っているからです。よく「土台はヒノキですから!」と言うせりふが聞かれますが、強度があり水に強い材として認められています。 現在では、建築構造材料としては高価な部類に属しており、よほどの良い普請でない限り、全面的に構造材に用いることはありません。山では多量に生えているのに、コストアップになるために家づくりで消費されないと言うジレンマがあります。家づくりにおける構造材の比率は全体コストの10%前後ですので、わずかな出費で頑強でCO2 削減につながり、日本の山の資源サイクルの助けになります。


【2】仕上げ材としてのヒノキ
(1) フローリング材
ヒノキの廊下
アイロン跡
 日本の家屋の廊下には、ヒノキの縁甲板として一般的に用いられてましたが、無垢材を床材に用いる習慣が途絶えて久しくなります。この日本のヒノキの床材を,、我々は見直しています。
 よく用いられるナラ、チークなどの洋材に比べて柔らかいために、耐久性を要求される箇所には向いていませんが、住宅の床には風合いが美しく、経年変化が美しく似合います。


(2) 壁・天井材
トイレ
廊下
 壁のヒノキの板張りは、現代的な手法です。ヒノキの肌合いの美しさを引き立てて、木の建物のイメージを強く出したい時に用います。部屋全面に貼ると木の部屋になってしまうので、一部に使う方が強調されるようです。腰壁に用いると落ち着いて、壁のよごれ対策にも効果があります。ヒノキの無地は高価なために,、限定的に用いられます。


(3) 建具材
ヒノキの框戸
濡れ縁
 建具の素材としては枠材(框材) としての使用が多いようです。これはヒノキが目が白く表面にやや光沢があるためにやや硬い印象を持つためだと思われます。枠材として用いる場合、柿渋やオイルステインで着色したものも使われます。直食すると、ヒノキの白さが退色されて柔らかくなります。建具用のヒノキは、柾目に狂いにくい材を用います。


(4) 階段・天板材
ヒノキの階段
土間
 ヒノキの無地の幅広材は高価なために、巾が必要な部位には余り使いません。又、木目が単調で冷たい印象があるので天板・地板類には余り用いません。 階段の天板や踏込み板には良く用いられます。こう した天板類は節を嫌うので、広葉樹系が重用されます。


(5) 浴槽
ヒノキ浴室
halfbath
 ヒノキの風呂はメンテナンスが難しいと言う理由で 敬遠される傾向にあります。しかし、浴室をヒノキの壁にしたいというニーズは高いです。左写真の事例は、2つ共ハーフユニットの浴槽に、上部2/3 にヒノキの板貼りの浴室です。ヒノキの浴室にする場合は、必ず大きめの窓にして、使い終わったあとの喚起が可能な配慮が必要です。木は水を嫌います。湿気が溜まると腐りの原因となります。


(6)その他
 ヒノキは粘り強く美しい肌をしているので、日本の建物には伝統的に使われてきました。外材のコストに比べて割高感があったために、敬遠されて久しくなります。コスト対効果を考えると見直すべき時期に来ていると言えましょう。ヒノキの風合いを一般の消費者が忘れつつあります。日本の材の代表格ですので、もっ とヒノキを使うことが肝要です。


【3】構造材としての杉
リビング天井 間接照明
スギの構造材
 本来構造材としてスギを用いることは余りありませんでした。構造材の内横架材(梁) は松が主流でした。しかし、松はクセがあり、松くい虫で余り産出しなくなったのです。外材の米松がそれに取って変わったのですが、最近コストバランスから日本のスギの横架材が見直されてきています。
 スギは豊富に日本の山に生えています。植林したスギは伐採時期を迎えています。スギを柱・梁に用いる家づくりが見直されています。自然の風合いが保てる家づくりには、欠くことの出来ない建築材料になっています。


【4】仕上げ材としての杉
(1) フローリング材
2階洋室
杉の浮づくりフローリング_2階踊り場
 スギのフローリングは本来余り用いられていま せんでした。それはスギが柔らかくキズつきやすいことと、乾燥収縮があったからです。
 スギを用いる場合は、厚みを確保することと、実加工をすることと、乾燥材を用いることが重要になります。この3点をクリアしたおかげで、コスト的にも使いやすい床材として普及しつつあります。
 写真左は浮づくり加 工を施したスギのフローリング材で、足ざわりが良く好評です。


(2) 壁・天井材
2階ホール
階段見上げ
 スギ材は元来仕上げ材として使われていました。 天井材として使われることが一般的です。最近は、新しい感覚で壁材、天井材として使われ始めています。
 赤み・白太や柾目・木目で雰囲気ががらっ と異なります。スギ材は、「安いのもスギ材、高いのもスギ材」と言われるように、同じスギ材といっても千差万別の種類と品質があります。「スギ材」という言い方は、「アジア人」と一口に言うことに似ています。材料を調達する場合、よく注意する必要があります。


(3) 建具材
木製建具
木製建具
 昔から建具材は柾目の狂わないスギ材を使うと 相場が決まっていました。目の詰んだ柾目のスギ材は建具材としては最高の材料です。しかし、良い材料は高価で、現代では数奇屋や茶室普請でなければ、余り使いません。しかし、最高級を求めなければ、比較的リーズナブルに調達できます。スギ材独自の味を生かした現代建具も作られています。日本空間における建具のデザイン性は見直され、味のある空間づくりに欠かせない部材となっています。


(4) 天板材・地板板
スギベンチ
屋久杉
 スギ板を化粧で見せる場合は、その木目に着目します。産地により、細かく分類された品種によ り、同じスギといっても様々な木目があります。 吉野杉、春日杉、秋田杉、屋久杉等が有名ですが、隠れた地域材が多数あります。


(5) 天井材・化粧材
天井_座敷
和釘_寝室
 スギ材と言えば、天井材のことを指すことが昔は一般的でした。しかし、今は和風の畳の間で天井を本物のスギ材で作ることは滅多になくなりました。短板貼り(0.2mmの薄板をベニア合板に貼っ た天井材) の普及と和室離れで敬遠される傾向にあります。この美しい木目の天井材の掘出し物に注目が注がれています。粋な使い方が色々と考え られます。


(6) 窓枠材・建具枠材
建具枠材
枠材_地窓
 現代的な「木」の家づくりを実現する方法として、安価なスギ材を窓枠や建具枠に用いる方法があります。一般的な山のスギ材は枠材として使い易い材料で、流通しています。但し、こうした用途の場合、節あり材は避けた方が良いでしょう。スギ材の節ありを枠材に使うと、山小屋風になってしまいます。


【5】北山スギ
北山スギ
北山スギ
 北山スギは一般的には床柱として知られていますが、数奇屋普請では、柱材・梁材としても使います。 一般的な住宅や内装仕上げ材として気軽に使うことも出来る材料です。京都の名産である北山スギが和 室離れによって利用が激変しています。もっと多様な使い方を開発して、北山スギの需要を喚起する必要があります。左の写真は、マンションの内装リノ ベーションに北山スギを用いた例です。














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