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《断熱・遮熱》

【1】断熱材の比較

 断熱材は隠れてしまう素材で見えにくい性能であり、後から変更できない部位なので慎重に選ぶ必要があります。断熱材の良否によって、冷暖房コストは確実に違い、内部で肌で実感する暖かさや寒さは異なります。グラスウールの経年変化での劣化が問題視されています。30年以上経た建物のグラスウールはペシャンコになっています。しかし、それに代わる断熱材については一定の見解がないようです。家の寿命が30年ではなく、100年単位で家を考えるようになって、断熱材が話題となっています。この視点に立った時に、 何を選ぶかについては定説が定まっていないようです。
 そこで、次世代の断熱材を考えるとき、①劣化問題、②内部結露、③コストの順に比較することが良いように思います。遮音性能(吸音性能)や施工性も比較検討の対象になる場合もありますが、やはりグラスウールの代替として考えるには、壁・天井の断熱性能を比較の対象とすることが一般的だと思います。
 一軒の家で断熱材の費用は、グラスウールの場合は一般的な住宅(延べ床面積40坪)で20万円前後です。長期優良住宅の仕様の場合は、高性能グラスウールの場合、壁は密度が16kg/m3、厚さは90mm必要で、天井で200mm必要です。このコストは約56万円/1 軒です。 どちらを基準とするかは、人によって異なると思います。しかし、こうしたグラスウール断熱材に対して、長期的な視点での性能重視の断熱材には、①セルロースファイバー、②羊毛(ウールブレス)、③パーフェクトバリア、などがあります。
 この中で、一押しはウールブレスだと思います。バージンウールとリサイクルウールがありますが、リサイクルウールがコストバランス上良いようです。 天然の羊毛でできていますので調湿性が高く、壁の中で水分を保水することができ、内部結露を起こさない、いわゆる呼吸する壁(水分を貯めたり出したりする力) なのです。ウールブレスは防湿シートを設置しなくても、壁体内での結露を発生させることが無いと国土交通省の認定を得ています。(防露認定877) これにより、防湿シート(防湿気密層)の設置が不要なのです。 課題はコストです。しかし、グラスウールに代わる新しい断熱材の中では、リーズナブルな価格です。今までの断熱材のコス トに比べて3倍弱なのですが、家の断熱性能という基本性能の向上を考えるなら必要なコストだと言えます。


         ※断熱材比較表 (2011.03.22)

セルロースファイバー 羊毛 パーフェクトバリア グラスウール 備考
回収された新聞古紙を主原料に防燃・撥水性能を付加した断熱材 天然繊維である羊毛を80%リサイクルポリエステル繊維を30%使用して製造された断熱材 ペットボトルのリサイクルによる再生ポリエステル繊維で作られた、エコロジーで、安全, 安心な断熱材 短いガラス繊維でできた、綿状の素材である。建築物における断熱材として広く一般的に用いられる断熱材
商品名 デコス 100mm ウールブレスR-110 スタンダード
13K耳付 100mm
高性能グラスウール
16K 100mm
熱伝導率 W/mk 0.038 0.034 0.045 0.038 熱の伝わりやすさ。 →熱伝導率が低い方が断熱性能は高い。
透湿抵抗 
㎡・hmmHg/g
1.34 0.84 2.39 1.23 水蒸気の通しにくさ。 →数値大:取り込まれた湿気の放出されにくい。
吸湿性   15.0% 34.0% 0.40% 0.30% 吸湿(調湿)しやすさ。 →数値大:水分保持力がある。吸湿性があると、ある程度まで内部結露をしにくい。
難燃性 防燃処理 自己消火 自己消火 自己消火
有毒ガス 有毒ガス発生なし 有毒ガス発生なし 有毒ガス発生なし 梱包ビニル接着材から出る
コスト 2.86
(\790,000)
2.14
(\590,000)
2.19
(\610,000)
1.0
(\280,000)
長期優良住宅仕様でグラスウールを1.0とした場合の概算コスト比較
(※比較対象仕様:木造2階建ての延べ床面積116㎡(35坪)の建物の屋根部:t=185mm 屋根面積:約231㎡,壁部:t=90mm 壁面積:約102㎡の場合)
吸音性 ◎  93% ○  80% ○  84% ○  84%
経年変化
特記 ■セルロースファイバーと羊毛は、吸放湿をすることで、ある程度まで内部結露が起きにくい性質をもつ。  
  一方、パーフェクトバリア・グラスウールは、吸放湿性はほとんどないため、気密・通気をしっかりすれば、内部結露を防ぐことが
  できる。
■セロースファイバーは、吸音性が高く、音楽室などにも用いられている。


セルロースファイバー 羊毛 パーフェクトバリア
セルロースファイバー 羊毛 パーフェクトバリア




【2】遮熱の必要性

 パッシブデザインの理論に基づき、外部の熱輻射を遮熱し、安定した屋内環境づくりを行うために、アルミの遮熱シートを内壁全面に施すことが効果的です。
 アルミは、熱伝導率が高いのですが、熱反射率も極めて高い素材です。夏に車のフロントガラスにアルミのシートを掛ける姿を良く見かけると思います。アルミは太陽光による輻射熱を最も効率よく反射して内部の温度上昇を防ぐ効果があるのです。
熱反射率の比較 建築材料の熱特性
 右下の実験でも、一般的な防水シートに比べて、6度の温度差を生じています。この遮熱効果は、熱伝導を遮断している断熱材と相まって有効な環境ができあがります。特に、夏場の輻射熱によるエネルギーの伝達を遮熱する効果が期待できます。


屋根の遮熱シート施工 壁の遮熱シート施工 一般防湿シートと遮熱シートの温度上昇比較
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